好きなら全力投球

アイドルとか舞台とかオタクとかのはなし

全通することは偉いのか


舞台、コンサート、イベント。
全通する人、全通ではないけど複数回行く人、1回だけ行く人、全く行かない人(所謂茶の間)。そこに優劣があるのか。

まず、現場に行くか行かないか、というところが大きな分かれ目だと思います。
わたしは、茶の間と現場に行く人なら、現場に行く人の方がある意味で「偉い」と思っています。
余程大きなコンテンツでない限り、現場での人とお金の動きいかんによって、その後の出演や円盤化などが決まるからです。
そもそも、現場に行く人がいなければ茶の間は生まれません。茶の間になれるのは現場に行く人がいるからです。


では、全通する人と、現場には行くけど全通しない人では、どちらが偉いのか。
わたしは、全通する人は本当にすごいなと思います。そこまでのお金と時間を同じ舞台にかけられるのはすごいことです。
わたしの全通経験と言えば、Aさんのライブツアーが東京大阪名古屋の3公演しかなかったときに「少なくとも2回は行きたい、もう3公演しかないなら全部行ってしまえ!」という勢いでやった一度だけです。遠征とはいえ3公演くらいはどうってことないというか、これを全通にカウントしていいのか迷うようなレベルです。
舞台は、小さなものでも10公演近くやることが多いですよね。それを全通するとなると、そこにかけるお金と時間は膨大です。
それだけの情熱を同じ舞台にかけられることは尊敬しますし、ある意味「偉い」と思います。


でも、なんというか、「推しに対してお金と時間をかけること」が目的になっている人が一定数いるような気がしてしまうんですよね。
さらに、そういう人こそが高らかに茶の間を批判しているように思います。全くの主観ですが。
全通することが目的になっている人のことはどうしても好きになれません。


全通って「しよう!」というよりは「気がついたらしてしまっていた」という感じなのではないかなー。
以前、公演開始前に2公演分のチケットを取っていた舞台で、気がついたら最終的に8公演見てしまっていたことがありました。
一度見たらどうしてももっと見たくなり、もっともっとと思ううちにそんなことに。
今回また別の舞台で、始まる前から6公演分チケットを取ってしまっているものがあります。でも、それくらいは見たくなる、というかたぶん行ったらあと1公演くらいは増やしてしまう予感がする…。

と、こんな感じで、気がついたらチケット増えてる…気がついたら全部行ってた…みたいな全通なら、わたしはすごいと思うんですよ。



そもそも、趣味で、自分が見たくて行っているだけなんだから、偉いもなにもないんですよね。(結論)
「全通してる(または複数通ってる)自分偉い!」と思い始めたら、それはもはや趣味ではないんじゃないでしょうか。
自己肯定、自己アピールの道具として、観劇回数を使われるのは不快です。
わたしは正直、自分を省みるとき、こんなに通っちゃって…とちょっと自己嫌悪してしまいます。通ったこと自体に後悔はないし、行ってよかったと思うのですが、ここまで趣味にお金をかけてしまう自分にはちょっと嫌気が差します。


通った回数で偉さを決めたがるのは、やっぱり「推しへの貢献度」を気にする方が多いからなのでしょうね。
推しの名前で毎回チケットを取って、ブロマイドも複数買って、人気があるんだとアピールすること。それは確かに今後のお仕事へ繋がる重要なことだと思います。
はてブロを見るようになって、そういう考え方をする人がたくさんいるんだなぁと実感しています。
「趣味での観劇」というよりは「推しの応援」。
最近「応援スタンス」についての記事が流行っているのも「応援」している人が多いからなのでしょう。
応援が趣味である人もいると思いますが、ただの観劇趣味とはまた一線を画すような気がします。
わたしは応援と考えると絶対後からめんどうで嫌になってしまうと思うので、あくまで趣味だと言いたいです。


しかし、とても狭い若手俳優界隈。ある程度は応援しなければ今後も板の上の彼を見続けられるかわからないのが現状です。
わたしは趣味として彼を見続けたいので、自分の趣味を続けるために、気が向く限りは現場に行きます。
今のところは「応援しなきゃ!」というような義務感はなく、見たいという欲望に従っていたらそれが応援に繋がっているという状況です。
このハマったばかりの激しい熱が落ち着いたとき、わたしはどれくらい現場に行っているのでしょうか。
願わくは、いつまでも趣味だと言えるような熱を彼に対して持ち続けたいですね。


舞台の楽しみ方は人それぞれ。
全通は偉いと思っていても、それは個人の価値観で、誰もが認める絶対的な偉さではありません。
思うのは自由ですが、アピールとか、他への批判をしないでもらえたらいいなぁと思います。